#プロセスワーク 2020/02/22

プロセスワークとは(概説)

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  • 組織開発コーチング

プロセスワークについての概説をまとめています

INDEX

ユング心理学をベースに世界の問題まで扱う

プロセスワークは物理学者であり、ユング派の分析家であるアーノルド・ミンデルの創始した心理学をいう。ミンデルはユング心理学の深さを人間関係やグループ、社会、世界の問題にまで展開している。それは一人の心の問題を扱う事は、実は同時にその人を取り巻く人間関係や家族、地域コミュニティや社会、世界とも無縁ではないと彼が実践から学んだことに基づいている。

ミンデルの不思議な夢の体験

ミンデルの実践が個人のワークを超え始めている時、ミンデルの夢に神様が世界という新しいクライアントを連れてきた。また、自分の教え子が世界中の人々、民族、男女であったという夢をみた。その頃不思議なことに、スイスで教えていたミンデルのもとには世界中の学生が学びにくるという偶然の一致が起きていた。プロセスワークは個人の内面が、実は外側世界と無関係ではなく、外側世界も同様に扱う必要があるとの信念から、その実践を集団に広げていった。

変革の心理学

具体的に言うと、プロセスワークは、まずは「変革の心理学」ととらえることができる。変革の対象は、個人・組織・会社・社会と様々なレベルを扱う。現状の慣れ親しんだ状態を1次プロセスと呼ぶ。現れ出ようとしている何かを2次プロセスと呼ぶ。そして、変革を阻む目に見えない壁をエッジと呼ぶ。変革を引き起こすためには、1次プロセスに居続けることを邪魔するディスターバーを増幅すること、2次プロセスの魅力であるアトラクターを増幅することが有効である。それと共に、エッジに対して、過去に遡ったヒアリングなどを通じて丁寧にワークしたりする。

1次プロセス、2次プロセス、エッジについて

対立の心理学

プロセスワークは、次に「対立」を扱う心理学ともいえる。そこには3つのレベルの現実が深く関連する。利害関係の違いを互いに理解し合うことは重要だが、それだけで対立は解決しないことにミンデルは気づいた。それは、事実やデータの世界(合意的現実レベル:CR)に留まっているからである。後述するロールスイッチなどを通じて、他の人には容易にはわかり得ない大切な思いの世界(ドリームランド:DL)」に入って、対立する相手を理解する、さらには全てのものの根源であるエッセンス(E)を体験することで対立から新たな未来が現れ出る。

・3つの現実レベルについて
・プロセスワークに関するセミナーはこちら
・プロセスワークに関するコラムはこちら

ロールスイッチを重視

プロセスワークは「ロールスイッチ」を重視する。例えば、ミンデルの最近の下記の動画では、ミンデル演じるヒラリークリントンが、場所を動いて黒人男性アクティビストのロールに入り(黒人になりきり)、元の場所にいると想定されるヒラリー自身に「ヒラリー、あなたにはわかりますか?誰が好んで奴隷というロールを取るでしょう。。。」という印象的場面がある。そして元の場所のヒラリーロールに戻った(DLで相手ロールを体験してCRに戻った)ヒラリー自身は両方の主張から、より深い洞察を得るのである。

▼下記の動画の12:38~16:05

エルダーシップ

ミンデルが提唱する新しいリーダーシップの在り方。老子の教えるタオ(道)に従うリーダーのようであり、気づきに基づいて人や組織を導く。対立する立場や考えも深く包含する長老的な在り方のことを言う。誰もが自分の深い智慧に繋がることができれば、エルダーシップを発揮できると考えている。

この記事を書いた人

取締役

西田徹(Toru Nishida)

京都大学農学部農芸化学科(学士&修士)にて遺伝子組み替えを研究。(株)リクルート入社。組織活性化研究所にて組織文化サーベイの開発にたずさわる。ニューヨーク大学経営学修士を経て(株)ボストン・コンサルティング・グループ入社。経営戦略、組織戦略等のコンサルティングを担当。その後、(株)カレンを経て現職。マーケティング、経営戦略、ロジカルシンキング、ファシリテーション、コーチングなどを研修テーマとする。売上高約1兆円の米国系グローバル企業C社の上級リーダー研修を、アジア人初の認定トレーナーとして、ニューヨーク、韓国、台湾、上海などで実施(言語は英語)。
1998年にサンフランシスコにてコーチングに出会う。日本におけるCTIの1期生(2000年)。現在ではコーチングの基本を順守しながらも、経営戦略の視点、心理学(プロセスワーク)の活用を織り込んだ、「総合格闘技型エグゼクティブコーチング」を信条とする。

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