6つのチャンネルに現れるシグナル

6つのチャンネルに現れるシグナル

 

  •  6つのチャンネル

プロセスワークには、チャンネルという重要概念がある。クライアントとワークをしている際に現れるシグナルは、6つのチャンネルを通してやってくる。以下の6つである。

1 視覚

2 聴覚

3 身体感覚

4 動作

5 関係性

6 世界

 

  •  なぜチャンネルを重視するのか

それぞれのチャンネルについて解説する前に、なぜプロセスワークではチャンネルを重視するのかに触れておきたい。

チャンネルは「ドリームドア」とも呼ばれ、ドリームランドに入るための入口である。チャンネルから来るシグナル、すなわちドリームランドからのメッセージを受け止めることで、クライアントは視野を広げ、場合によってはエッジを超えて2次プロセスへ歩みはじめることになる。

そのためにコーチが行うことは、チャンネルの性質に従ってシグナルを増幅することである。ただし、チャンネルから来るシグナルは常に現れているものなので、いつどこをピックアップしてワークするかの判断が重要。発言や動作などが繰り返されるといった事実(シグナル)、その瞬間に最もエネルギーのあるシグナルを見つけて「ここに介入する」と決め、ドリームランドの入り口にする。詳しくは、それぞれのチャンネルの解説で述べる。

 

① 視覚チャンネル

クライアントが夜見た夢を話す時、そこには視覚チャンネルからのシグナルがある。また「ほんの少しだけど光が見えた気がします」といったコメントも視覚チャンネルから来たもの。コーチングの場でクライアントが何かを見ているようなしぐさをしている時も含まれる。

夢に関しては、「詳しく話してください」といった投げかけをし、場合によっては夢でのドラマを実際に演じてみせたりする。また、見えるものへのコメントに対して、「少し見えた光は、どんな感じの光ですか?」といった質問も有効である。また、クライアントが何かを見ているようであった時は、「何かを見ておられる感じなのですが、イメージが沸いていたりしますか?」といった問いかけが有効である。

 

② 聴覚チャンネル

クライアントが、音・声・言葉・音楽などについて話す場合、それは聴覚チャンネルからのシグナルである。

例えば「上司の怒鳴り声が耳について離れない」というクライアントには、丁寧に(クライアントの許可を得ながら)、「今ここで、上司の怒鳴り声が鳴り響いていると想像してください。どんな感じですか?」といった増幅を行う場合もある。

また、自己批判・自己否定が強いクライアントの場合、自分自身からの「おまえはダメだ」という声を聞いている場合がある。そんな時は、「自分自身の中の厳しい部分を分離して、このカップだとしましょう。カップはあなたに何と言っていますか?」といった問いかけが有効である。

 

③ 身体感覚チャンネル

クライアントが体の中での熱さ・圧力・重さ(軽さ)・発汗、体温の上下などを感じている場合、それは身体感覚チャンネルから来るシグナルである。例えばクライアントが「地面から体を通して、熱い何かが湧き上がってくる感じがします」といったコメントをする場合である。

コーチは「その沸き上がってくるものを、より感じてみることができますか?」といったアプローチをする。または、「その湧き上がる熱さをジェスチャーで表現してみてください。」といった風に、次に解説する動作チャンネルへいざなってシグナルを増幅する方法もある。

身体感覚チャンネルからドリームランドに入り、様々なワークや振り返りの結果、自分が無自覚に抱いていた何かに対する憤りに気づいたり、さらには憤りが変容し、大切な願いを自分自身で発見できる場合もある(他の5つのチャンネルも同様)。

 

④ 動作チャンネル

クライアントの行う動作すべてが対象となる。もたれかかる(姿勢)、腕を組む、うなだれる、拳を握る、貧乏揺すりなどが典型的。

「背もたれにもたれかかっているとどんな感じですか?」といった質問を行ったり、コーチがその動作を真似したり、あるいはクライアントにその動作をもっと大げさにやってもらうよう依頼することでシグナルの増幅を試みる。

 

⑤ 関係性チャンネル

関係性チャンネルでは、誰か他の人とのコミュニケーションを通して、あるいは関係性の中で感じられる体験や出来事が対象となる。もしクライアントの話の中で、他の人が大きく扱われるならば、関係性から強く影響受けた体験をしていることを示唆している。

たとえば、クライアントが自組織の風土改革をテーマとしている場合に、特定の人物についてのコメントが繰り返し出てくる場合は、クライアントとその人物の関係性に関するシグナルが発せられている。

あるいはオーナー社長のクライアントと事業の成功を目的としたコーチングをしているとする。「また嫁とごたごたして、5分遅れてしまってすみません。」といった場合、奥さんとの関係性のチャンネルに着目してワークすることもできる。結果として、彼と従業員の関係性へつながり、それが本来のコーチング目的(事業の成功)に大きく寄与する場合などもある。

 

⑥ 世界チャンネル

集合的・社会的な出来事や、意味のある偶然(シンクロニシティ)は、世界チャンネルから来るシグナルである。

例えば、世界全体が「死と再生」のプロセスにある場合、それはクライアントの中の何かに対する「死と再生」へのメッセージかもしれない。

意味のある偶然(シンクロニシティ)もコーチングの場面の重要な出来事である。例えばあるクライアントが「私には知識・経験が足りないので、〇〇は無理です。」といったエッジに差し掛かっていたとする。その時、本棚に立てかけてあった本が地面に落ちた。コーチは「この偶然の出来事に何か意味があるのでしょうかね?」と問う。クライアントは「知識なんかにこだわるな!と誰かに言われた気がします。」とエッジを超え始めることがある。

 

● 上記と同じ内容のユーチューブ動画です