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2016年04月25日 小島美佳 [バランスト・グロース パートナー]

適応を要する課題への対応 ― 第3章:メンタルモデルを脱ぐ

2年前に免疫マップを紹介するコラムを公開させていただきました。おかげさまでたくさんの方々に読んでいただきうれしく思います。当時は、まだコンセプトが発信されたばかりでしたが その後多くのクライアント企業との協奏によって、実際の経験とコンセプトがブレンドされ、本当の意味での知力が育ちつつある気がしています。

今回のシリーズでは新井宏征と小島美佳が、それぞれの視点で「適応を要する課題」とどのように向き合い、理解し、最終的に組織の中でイノベーションを起こすことができるのか... という問いに答える内容を発信していく予定です。


● 思考の枠をはずし、メンタルモデルを脱ぐ

さて、前回は私たちのメンタルモデルがいかに 自分たちの思考の可能性を阻んでしまっているのか...という点について論じてきました。これまでの議論の中では、コンセプトの前提となる内容のご説明が多かったですが、いよいよ具体的な手法に論点を移してゆきます。

今回は、メンタルモデルから脱却したいと感じる方々に向けたツールのご紹介をさせていただこうと思います。こちらは、私たちが何度もワークショップや企業現場で場数をこなし、その有効性を検証したものになります。したがって、そのまま活用いただいても、思考の枠を外すことに興味がある方には刺激的なものになるはずです。


● 問題ではない領域を明らかにする

今回ご紹介するのは、アメリカのCIA(中央情報局)が利用しているといわれる Phoenix Check Listです。英語版の詳細な資料は冊子として販売されています。2ドルで購入できますので興味のある方は、ご一読されることをお勧めします。

Phoenix Check List は2部構成になっており、前半が問題の特定偏、後半が問題の解決編です。今回のテーマである「メンタルモデルを脱ぐ」という試みに適しているのは、前半になりますので、ここでは前半を扱うことにします。

さて、チェックリストの大きな流れは、以下の通りです。

Clipboard01.jpg 一見、なんの変哲もないように見られますが、この流れに沿って議論をしていくと大きく思考が揺らぐ場所があります。

それが、「問題ではない領域を明らかにする」という部分です。
この問いを真剣に考えてゆくと、頭の中がストップしてしまうような感覚になります。
時には、「そもそも問題について議論しているのに、この問いの意味はどこにあるのです?」と反発されることもあります。しかし、ここが大切なポイントなのです。私たちは問題解決思考といった訓練を多くやってきているせいか、物事が問題であるという風に思うことが良いことと考えています。しかし、それが「本当に解決しなければならないことか」ということを突き詰めて、しつこく考えることができないのです。

これが思考の枠になります。
例えば、なかなか新しい風土改革が進んでいないことが問題だと考えるチームがあるとしましょう。私たちがこのようなファシリテーションをするとき、必ずといって良いほど 「問題ではない領域を明らかにする」というところで、皆さんが気づくことがあります。それは、風土改革がスムーズに進む... という不可能とも思える幻想を自分たちにも会社にも押し付けて苦しんでいるという現状です。

風土改革を例にご説明を続けると、これは人に「変化」を求めるプロジェクトであり、そもそも人が変化するためには多くのエネルギーと時間が求められる。これを、私たちは忘れてしまっているのです。マーケティングでは、 イノベーター理論というものがありますが、 新しい変化が市場に起こったときに、それに興味を持ち購入する人は 2.5%程度であるといいます。仮に、この感覚値を企業改革に当てはめると、風土改革に賛同してくれる人が2.5%いれば まずまずであるという考え方にすらなるのです。

こう考えていくと、風土改革が進まないという漠然とした問題認識にまつわる不必要な誤解や幻想を取り除き、より現実に即した、具体的な問題へと導くことが可能となります。賛同して活動をしてくれている人が2.5%いれば、それは想定の範囲内。抵抗する人がいることも問題ではなく、単に対処する必要のある出来事であるという風にとらえることが可能となっていくのです

さて、問題ではない領域の次に私たちの思考が揺らぐのが、「過去に似たような経験をしていないかどうか」という設問です。
こちらは次回に解説させていただきたいと思います。


●チェックリストの活用方法

Phoenix チェックリストの活用方法について解説した資料(3ページ分)のダウンロードサービスを行っております。 ご興味のある方は、info@balancedgrowth.co.jp へお問い合わせをいただくか、または、バランストグロースLLPのメールマガジンへご登録くださいませ。

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※ CIAの問題解決思考に関連するセミナーを実施しております。詳しくは【バランストグロースのスクール一覧】を御覧ください


●「免疫マップ」や「適応を要する課題に関するコラム」のバックナンバー

適応を要する課題への対応をどうすべきか? 序章:寄稿の意図 (小島美佳)

適応を要する課題への対応をどうすべきか? 序章:「変わる」ことに対する誤解 ? (新井宏征)

適応を要する課題への対応 ― 第2章:メンタルモデルと向き合う (小島美佳)

組織における免疫マップの活用 第1回:私たちが直面している問題の本質と「免疫マップ」

組織における免疫マップの活用 第2回:ツールとしての「免疫マップ」とその使い方

組織における免疫マップの活用 第3回:「免疫マップ」の活用法と注意点

組織における免疫マップの活用 第4回:なぜ免疫マップを使えないのか?

組織における免疫マップの活用 第5回:ステークホルダーマネジメントを活用する

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