組織が健全な成果を上げ、メンバーが仕事を通じて大きな喜びを得られる。バランスト・グロースは、そのような組織づくりのお手伝いをします。

Library

組織開発コラム ↑一覧ページへ

2016年03月22日 小島美佳 [バランスト・グロース パートナー]

適応を要する課題への対応 ― 第2章:メンタルモデルと向き合う

2年前に免疫マップを紹介するコラムを公開させていただきました。おかげさまでたくさんの方々に読んでいただきうれしく思います。当時は、まだコンセプトが発信されたばかりでしたが その後多くのクライアント企業との協奏によって、実際の経験とコンセプトがブレンドされ、本当の意味での知力が育ちつつある気がしています。

今回のシリーズでは新井宏之と小島美佳が、それぞれの視点で「適応を要する課題」とどのように向き合い、理解し、最終的に組織の中でイノベーションを起こすことができるのか... という問いに答える内容を発信していく予定です。


●変化にまつわるチェンジ・エージェントの苦悩

前回までは、"変わる"ということの意味や その難しさについてお伝えしてきました。
確かに変化は苦痛を伴う難しいプロセスです。そして、他人にはその変化を求めたり期待したりする私たちですが、その期待を自分自身に求められると、社会的な地位が高くなればなるほど居心地がわるく苦しいものですね。

しかし、それは仕方のないことです。意図して変化を起こそうとするとき、必ずそこには大きなエネルギーが必要とされるものではないでしょうか。望んではいなかったが、他社や顧客、市場などの外部環境の変化が「変わらざるを得ない」状況を引き起こす場合もあるでしょう。あるいは、大きなビジョンが「達成したい!」という強い気持ちを組織に広げて牽引する場合もあると思います。いずれにせよ、そこには何か強い感情があるはずです。

しかし、最ももどかしいのは、その変化の方向性が見えないときです。 何か変えなければならない。しかし、その方向がわからない...。或いは、組織は一定の方向に突き進んでいるように見えるが、どうしても その方向性がしっくりこない。そんなこともあるでしょう。霧の中に立っているような状況でありつつ、多くリーダーが どうにかこうにか意思決定を行っているのが多くの企業が直面している現状なのではないかと思います。


●システム思考が教えてくれること

そんな状況にあるとき、システム思考的な観点に立つことが役立つと感じます。
ピーターゼンゲの著書である「学習する組織」を読まれた方も多いと思いますが、ゼンゲが指摘している「学習障害」のような症状が心に刺さるジェダイ(チェンジ・エージェント)の皆さんなら システム思考の重要性はピンとくるはずです。

ジョン・スターマン博士は、システム思考の考え方を意思決定に紐づけて以下のように整理しています。

Clipboard01.jpg


意思決定という活動からスタートしましょう。まず組織は何らかの意思決定を行います。
そして、意思決定の結果(あるいは結果は出ていない状況の中でも)現実の世界は変化します。
私たちは、その結果を把握したいと思う。できる限り真実に近いフィードバックを得たうえで、次なる意思決定の材料しようと意図します。
しかし、必ず 私たちには現実の世界に対するメンタルモデルを持っています。このメンタルモデルが、結果を真実に近い形で受け取ることを助けるなら大変役に立つのですが。物事がうまくいっていない状況の中では、そのメンタルモデルが情報を受け取るための障害になっている可能性が高い。
そして、既存のメンタルモデルを前提に、あらゆる組織の構造やルールがなりたっているため、結局 同じ意思決定が繰り返されてしまうのです。



●自らのメンタルモデルにチャレンジする

非常に簡単な例ですが、
「1980年代の車に搭載されたカセットプレーヤーに、無理やりiPhoneを押し込んで機会を壊す若者が増えている」という記事がアメリカで話題になっていました。これは、iPhone を取り巻くあらゆるデバイスがもたらした、知らず知らずのうちに染み付いたメンタルモデルが起こした興味深い現状だと思います。

Clipboar.jpgのサムネール画像

もしかすると、なかなか突破口のみえない組織は、この若者たちのようなメンタルモデルによってブレイクスルーを阻まれているのかもしれません。いずれにせよ、何か思考の転換が求められている... そんな風に感じられたときには、ご自身が持つあらゆる前提、特に「常識である」と思われるルールや信条を脇において別の視点から現状を見ることが役立つと思います。

自らが持つ前提を疑うこと。
それらの前提があることで得られているメリットとデメリットを改めて考えること。
このような柔軟な思考ができる組織には、自らのメンタルモデルを認識したうえで 新たな発想転換を実現する可能性を秘めているように思うのです。


前回のコラムで"アメリカ中央情報局(CIA)のアプローチをご紹介"すると申し上げましたが、具体的なアプローチは次に回して、彼らが持つ手法の土台となるコンセプトをご紹介させていただきました。次回から、実際のツールのお話しに入っていきます。


※ CIAの問題解決思考に関連するセミナーを実施しております。詳しくは【バランストグロースのスクール一覧】を御覧ください


●「免疫マップ」や「適応を要する課題に関するコラム」のバックナンバー

適応を要する課題への対応をどうすべきか? 序章:寄稿の意図 (小島美佳)

適応を要する課題への対応をどうすべきか? 序章:「変わる」ことに対する誤解 ? (新井宏行)

組織における免疫マップの活用 第1回:私たちが直面している問題の本質と「免疫マップ」

組織における免疫マップの活用 第2回:ツールとしての「免疫マップ」とその使い方

組織における免疫マップの活用 第3回:「免疫マップ」の活用法と注意点

組織における免疫マップの活用 第4回:なぜ免疫マップを使えないのか?

組織における免疫マップの活用 第5回:ステークホルダーマネジメントを活用する

お気軽にお問い合わせください。

info@balancedgrowth.co.jp

上へ戻る

バランスト・グロース | 東京都中央区銀座1-20-17 押谷ビル9F