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2016年02月23日 小島美佳 [バランスト・グロース パートナー]

適応を要する課題への対応をどうすべきか? 序章:寄稿の意図

2年前に免疫マップを紹介するコラムを公開させていただきました。おかげさまでたくさんの方々に読んでいただきうれしく思います。当時は、まだコンセプトが発信されたばかりでしたが その後多くのクライアント企業との協奏によって、実際の経験とコンセプトがブレンドされ、本当の意味での知力が育ちつつある気がしています。

今回のシリーズでは新井宏之と小島美佳が、それぞれの視点で「適応を要する課題」とどのように向き合い、理解し、最終的に組織の中でイノベーションを起こすことができるのか... という問いに答える内容を発信していく予定です。


●そもそも適応を要する課題とはなにか?

こちらは第一回コラムの繰り返しになってしまいますが、大変重要な前提ですので改めて確認させていただきます。『なぜ人と組織は変われないのか』では、課題を「技術的な課題」と「適応を要する課題」に分けて考えることが必要であると指摘しています。そして、その内容は以下のようなものです。


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この内容に共感いただける企業は非常に多い。企業内ジェダイ(変革者もしくはチェンジ・エージェント)の皆さんは「その通りだ!」とお考えになります。

「そう、その通り。我々が直面しているのは適応を要する課題だ。でも、今は技術的な問題に対処するときと同じ思考法で 適応する問題を解決しようとしている。だから、我々は考え方を変えなければならないのだ!」と。これは、わが社を変革させたいという情熱的な感情と相まって湧き上がってくることが多いと感じます。素晴らしいことです。

しかし、よく見られる行動パターンは次のようなものです: 何等かの手法(それは免疫マップであるかもしれませんし、思考様式を改めることを助けるその他のメソッドであるかもしれません)を組織に導入することを試みる。


●企業内ジェダイ(変革者)が陥るパラドックス

これを一歩引いて客観的な視点でみていると、実に滑稽な情景です...。

なぜ、すぐに手法に飛びついてしまうのでしょう?なぜ、もう少しじっくり必要なことを吟味したり、自分自身が改めるべき思考と向き合ってみたりしないのでしょう?

企業内ジェダイの多くは、自分たちが組織を批判したのと同じ思考プロセスを辿ってしまう。深く組織について考える前に、巷で注目されているHow-Toに目がいってしまう。これは、適応を要する課題を技術的な課題を解決するアプローチで対応しようとする典型例。なんとも矛盾したシチュエーションです。
そして、最も悲惨な結果は社員の冷ややかな反応でしょう。「ほら、また始まったよ。XXさんの何か変えたい病が...。ああ、めんどくさい」と。我々のようなファシリテーターやコンサルタントの立場で外からみているととてもわかりやすい。

どの企業にも多かれ少なかれ見受けられるこの状況は、深い洞察をもたらしてくれます。それは、企業内ジェダイという、変革に果敢に挑む勇気と情熱、知恵をもつ人物であっても、適応を要する領域に足を踏み入れた瞬間に、突っ込みどころが満載な弱い存在になってしまうことです。
メンタルモデルとして私たちに染み付いた思考を手放すことは非常に難しい。自分が修正すべき思考を持っていることにすら気づかないこともある。そう、考え方や行動を修正し、これまで染み付いたパターンを手放す過程というものは、大変デリケートでかなりのエネルギーを要するものです。実際に、真剣に免疫マップと向き合ったことのある方なら、このニュアンスがおわかりになると思います。



●適応を要する課題を解決するための第一歩

それでは、企業内ジェダイはどのように適応を要する課題に対処すればいいのでしょう。もし、物事が上記のとおりだとすると「技術を身に着けても解決できないのなら、いったいどうすればいいのだ!?」と怒られそうです。

様々な組織やリーダーの皆さんとかかわる中で、私はとても難しいけれども、確実に効果のある、最もシンプルな方法にたどり着いた気がしています。

それは、「何かを変える前に、自分自身を変える」というものです。

「人と天気は変えられない。変えられるのは自分だけだ」という表現にもあるように、結局のところジェダイが自己変革に取り組まない限り、組織の変革はあり得ません。そして、ジェダイ自身に、これまでの思考やシステムの枠を外れた考え方を持つ 視野が求められていると思うのです。

それでは、視野を広げるためにはどうしたらいいのか?次回のコラムでは アメリカ中央情報局(CIA)のアプローチをご紹介しながら 視点を動かすことの大切さを論じていく予定です。


※ CIAの問題解決思考に関連するセミナーを実施しております。詳しくは【バランストグロースのスクール一覧】を御覧ください

●「免疫マップ」や「適応を要する課題に関するコラム」のバックナンバー

適応を要する課題への対応をどうすべきか? 序章:「変わる」ことに対する誤解 ? (新井宏行)

組織における免疫マップの活用 第1回:私たちが直面している問題の本質と「免疫マップ」

組織における免疫マップの活用 第2回:ツールとしての「免疫マップ」とその使い方

組織における免疫マップの活用 第3回:「免疫マップ」の活用法と注意点

組織における免疫マップの活用 第4回:なぜ免疫マップを使えないのか?

組織における免疫マップの活用 第5回:ステークホルダーマネジメントを活用する

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