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2015年09月09日 新井 宏征 [バランスト・グロース マネージングパートナー]

組織における免疫マップの活用 第4回:なぜ免疫マップを使えないのか?


●これまでのコラムの振り返り

これまで何度か『なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践』の中で紹介されている「免疫マップ」についてコラムで紹介してきました。

例えば、第1回では免疫マップが必要になっている背景を読み解き、

組織における免疫マップの活用 第1回:私たちが直面している問題の本質と「免疫マップ」

第2回では免疫マップそのものについて簡単に紹介しています。

組織における免疫マップの活用 第2回:ツールとしての「免疫マップ」とその使い方

ここまではある意味、『なぜ人と組織は変われないのか』で紹介されている内容を私なりに読み替え、他の文献なども参考にして紹介するという解説記事でした。

一方、第3回の内容は、やはり本で書かれている内容も取り上げつつも、いろいろな機会に免疫マップを使ってきた経験を踏まえ、免疫マップを活用していく際の注意点などを紹介してみました。

組織における免疫マップの活用 第3回:「免疫マップ」の活用法と注意点


●なぜ免疫マップを使えないのか?

おかげさまでアップしてから1年近く経つ今でも、これらの免疫マップ関連のコラムはたくさんの方に読まれています。同時に、このところ免疫マップ関連でいただくお問い合わせで共通しているのが、

「実際にどうやって組織の中で使っていくのか、やっぱりわからない」

というものが多いのです。

私が最近いただいているコンサルティングプロジェクトの共通項は、免疫マップに限らず、シナリオプランニングだろうと、イノベーション実現メソッドだろうと、何か新しい仕組みや手法を組織に導入していく際に直面するさまざまな障壁を乗り越えるご支援をするというところにあります。

多くの場合、そのような施策において先頭に立ち旗をふっている人は、問題意識があり、責任感もあり、その施策を進めていかなければならない個人としてのWhyをお持ちです。

そのようにご本人としては日々考え、試行錯誤をしているというのに、周りの支持も得られず、組織を元気にしていこうと思っている自分の元気がなくなっていってしまっているという悪循環に陥ってしまっています。

これは、強い想い、明確なWhyをお持ちの「ジェダイ」のような人に限って陥ってしまうことが多いパターンです。

なぜそのようなことが起きてしまうかということをシステム思考的に考えてみると、ご本人の思いが強いからこそ、その思いをストレートに投げかけてしまい、それゆえに周りが引いてしまっているという構図が浮かび上がってきます。


●熱さと、冷静さと

そういう構図を生み出してしまっている背景にあるのは、それぞれのステークホルダーの立ち位置や都合、関心事を踏まえず、一様にメッセージを投げかけてしまっているかだなのです。

何か新しい施策を導入しようとなると、それぞれの立場で、それぞれの関心事に照らした懸念や思惑が浮かんできます。

例えば、社長であれば多かれ少なかれ「それで儲かるのか?」と考えるでしょう。

人事の方であれば、新しい施策を推進することになって企画しなければいけない研修や説明会の振り回されることになると想像し、疎ましく感じているかもしれません。

今の仕組みで輝かしい実績をあげている営業の方であれば、誰がなんと言おうと自分のやり方で仕事を進め、部下を育てると頑なになっていることが少なくありません。

このようなそれぞれの関心事や都合に思いを馳せることなく、ひたすら自分の想いやWhyを投げ続けていたところで、彼らが動いてくれるはずもありません。

想いやWhyは揺るがないものとして大切にしながらも、それを伝えていくメッセージは、それぞれの相手の関心事や都合を慮って変えていく。しかも、相手に伝える度に、その反応を見ながら、都度、微調整を加えていく。

新しいことを社内に進めていくためには、想いやWhyを大きな声で語り続ける「熱さ」も必要ですが、組織の中で策士のように立ち振る舞う「冷静さ」も必要なのです。

では、どうやったら、さまざまな人の関心事などを把握し、メッセージを組み立てていけるのかということについては、「ステークホルダーマネジメント」というキーワードで、次回のコラムでお伝えしていきます。

【バックナンバー】

組織における免疫マップの活用 第1回:私たちが直面している問題の本質と「免疫マップ」

組織における免疫マップの活用 第2回:ツールとしての「免疫マップ」とその使い方

組織における免疫マップの活用 第3回:「免疫マップ」の活用法と注意点

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