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2013年10月27日 新井宏征[バランスト・グロース パートナー]

シナリオプランニング入門 第01回:今、求められるシナリオプランニング

10月の肌寒いイギリス、オックスフォード。

University of Oxfordの一室からBBCの速報ニュースが報道されていた。ニュースルームからの呼びかけでつながった中継ではヒラリー・クリントンがインタビューに答えていた。

少し不思議な設定だと感じたかもしれません。それもそのはず、舞台は2030年、ある病気の治療をテーマにしたストーリーなのです。イギリス人、ドイツ人、フランス人、イタリア人、フィンランド人、そして日本人である私から構成されるチームで作り上げたシナリオを、ストーリーに仕立てて演じていました。トップバッターとしてシナリオの導入部分を紹介した私は、チームメンバーが演じる寸劇を見守っていました。

これは私が今年の9月30日から10月4日まで参加したSaïd Business School(University of Oxfordのビジネススクール)のシナリオプランニング プログラムの一場面です。

このプログラムは『Business Planning for Turbulent Times』の著者でもあるRafael Ramirezや、日本でも著書が翻訳されているKees van der Heijdenなどからシナリオプランニングについて教わることができるという贅沢なものでした。

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●今、シナリオプランニングに取り組む意義とは?

シナリオプランニングは、大まかに言えば、不確実な未来を見据えるための手法です。

よく誤解されることですが、シナリオプランニングは未来を予測するための手法ではありません。予測するのではなく、起き得る未来についての複数の可能性を検討し、その結果を元に今後の戦略について柔軟に考えていくための考え方です。つまりシナリオプランニングで作成されたシナリオはアウトプットではなく、企業がこれからの戦略を考えていくためのインプットです。

さらに、シナリオを作成する過程で、自社のメンバーが社内外のさまざまな環境要因を踏まえながら、起き得る未来について検討するしていくことで、自社や自社が置かれている環境について深く知ることができる組織学習のための有益なツールという側面も持っています。

現在の日本では、東日本大震災とそれに続くさまざまな出来事に直面しているという不確実な時代だからこそ、「確実な」未来を知りたいと感じている人や企業が増えています。しかし、一方で「確実な」未来というものはないというのも、私たちは知っているはずです。バブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災。それらに直面した私たちは、何度も「想定外」という言葉の無力さの前に立ち尽くしてきました。

それでもなお、私たちは慣れ親しんだものからなかなか抜け出せません。例えば、企業が作成する事業計画。どこかで今の時代の不確実さに気づきながら、「明日は今日の延長」という視点で、これから先も考えてしまっています。

そのような企業にとって大きなブレークスルーとなり得るのが、今回から始める連載でご紹介するシナリオプランニングです。


●シナリオプランニング

シナリオプランニングは、不確実な時代に企業や組織を柔軟に運営していくために必須の考え方です。これまでの経営計画の手法では、時代に対応できていないと感じている方には、ぜひともお薦めしたい手法です。

さらに、先ほども紹介したように組織学習のためのツールとしても優れています。いくら組織を活性化するための手法を使ったり、研修を行っても、一時的には改善するものの、なかなか効果が持続しないという声は良く聞きます。シナリオプランニングでは、シナリオを作成する過程で、自社が置かれている環境を「自分事」として意識します。それによって、社員一人一人が、自社が置かれている環境と今後採るべき方向について主体的に考え始めるという効果も期待できます。

次回から始めるシナリオプランニングの連載では、シナリオプランニングの意義や効果のより詳しい解説から、実際のプロジェクトの進め方まで、詳しくご紹介していきます。



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