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2013年05月30日 新井宏征[バランスト・グロース パートナー]

第2回:レジリエントなシステム、レジリエントなわたしたち

前回の記事の最後に「これからはシステムを「全体」として見る視点を持ちながら、レジリエントなシステムを実現するための取り組みを行っていかなければいけない」ということを書きました。「システムを見る」と書くと、あたかも私たちはシステムの外側にいる存在かのように感じてしまうかもしれません。しかし、実際には、私たちは知らず知らずのうちに「システム」の中に組み込まれていると考えた方がより正確かもしれません。
「システム」ということを意識するために、今回はシステム思考やシステムダイナミクスと呼ばれる考え方や理論から、いくつかヒントとなる考え方を紹介してみます。


●システムが持つ「フィードバック」という性質

なぜシステムという考え方が重要なのかというと、最近、私たちの目の前に現れてきているさまざまな課題は、全体を俯瞰するような視点を持たないことには、解決できないようなものが増えてきているからです。単に解決できないだけではなく、むしろ解決をしようと思って試みたことが、システム全体から見れば、余計に状況を悪化させてしまっているようなことがあります。


そのような状況を示す事例として、前回紹介した『レジリエンス 復活力』の中では山火事の例が引き合いに出されています。山火事が起きる原因にはさまざまなものがあると言われていますが、山全体をシステムとして見た場合、燃えやすい種類の木が燃えにくい種類の木を駆逐しそうになるほどに増えた際に小規模な山火事が起きると言われています。そのため、人為的にそのような小規模な山火事を抑制してしまうと、木の密度が高くなってしまい、より深刻な、大規模な山火事が起きる確率が高くなってしまうと言われています。


このように、何かが起きる原因があり、そこから生まれる結果があるという流れは、一度で終わるのではなく、その結果がさらに原因となってシステム全体に作用するという「フィードバック」という性質を持っています。システム思考の考え方では、「フィードバック」には正と負の2種類のフィードバックがあると言われています。

  • ●自己強化型フィードバック(正のフィードバック)
  • ●バランス型フィードバック(負のフィードバック)


●「時間」を踏まえてシステムを見る

このようなフィードバックが、目の前でわかりやすく起きれば、システムを理解しやすくなりますが、物事はそう単純ではありません。


ピーター・M・センゲによる『学習する組織――システム思考で未来を創造する』の中で紹介されている「システム思考の法則」の7番目に「原因と結果は、時間的にも空間的にも近くにあるわけではない」という法則が紹介されています。つまり、今、目の前で起きている要素だけではなく、システム全体を俯瞰して、問題に取り組むことが必要になってきているのです。


●厄介な「自分」という存在 − メンタル・モデル

システム思考を実践する場合、ループ図を書いてシステム全体を分析するという方法がよく知られていますが、そのような方法論を身につければ、すぐに「システム」を理解することができ、システムの中で首尾良く経ち振る舞うことができるわけではありません。ここでもうひとつ難しい問題に直面します。それが「メンタル・モデル」という存在です。


「メンタル・モデル」とは、簡単に言えば、その人が持っている一般常識や物の見方のようなものです。そのような常識や物の見方は、一朝一夕に作られるものではありません。その人がこれまで生活してきた中で遭遇してきたさまざまな経験や、その過程で見つけたパターンをベースとしてメンタル・モデルは形作られていきます。そのため、メンタル・モデルが及ぼす影響はとても大きなものになります。自分では十分に客観的な視点を持てていると感じていても、そこには知らず知らずのうちに、メンタル・モデルが影響をし、それを通して出来事や世界を理解しているのです。


もちろん、メンタル・モデルを通した世の中の理解は決して悪いものばかりではありません。メンタル・モデルによって、それがない場合よりも速く、正確に状況を理解することができ、それをメリットだと感じることも多いでしょう。一方で、そのメンタル・モデルがあることによって、システムを限定的にしか見られないような状況にも遭遇してしまうのです。


●システムをつかむ


今回はシステム思考などの考え方の基本を紹介することで「システム」を理解するためのヒントを紹介しました。ぜひこれをきっかけに、システム思考の世界に目を向けていってはいかがでしょうか。その際、個人としてはもちろん、この考え方を組織全体に導入していけば、より効果的です。


なお、弊社がシリーズで開催している「人生の創造性を取り戻そう 〜秘境芦川村の自然の中で「空」「水」「土」「風」「火」の5大元素のバランスを整え本来の自分につながる宿泊型イベント」の第3回は「土」をテーマに、今回紹介したシステムを理解するためのワークショップも盛り込む予定です。ご興味がある方は、ぜひご参加ください。

ワークショップの概要・お申込みはこちらから。
人生の創造性を取り戻そう〜秘境芦川村の自然の中で「空」「水」「土」「風」「火」の5大元素のバランスを整え本来の自分につながる宿泊型イベント第3回:「土」

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